みなさん、初めまして!
今年からHPをリニューアルした京都着物企画ですが、今回から新たにブログも活用していこうと思います!
イベントの様子やその裏側、普段の勉強会などの活動や、そのほか色々な企画も考えておりますのでどうぞお付き合いいただければ幸いです!
伝統文化体験会とは?
伝統文化体験会とは、京都着物企画の活動方針「着物をはじめとする伝統文化を学び、自らの目線で若者を中心に着物を軸として伝統文化を発信する」の「着物をはじめとする伝統文化を学び」を達成するための内部向け企画です。
毎年生け花の体験会や十二単を実際に着てみて重さや仕組みを体験する機会を設けています。
そんな感じで今回は和菓子作り体験です!なんだかザ・京都っぽくてワクワクしますね!
まずは和菓子について学びましょう
全然関係ないんですけど、このミーティングの日に和菓子の勉強会を開きました。
和菓子の歴史
果物やきのみを粉砕して丸めたもの(お餅やお団子の祖先)や「甘葛(あまづら)」という一種のシロップを甘味として食していた古代人。
文明が進み遣唐使の時代になると、唐菓子(からくだもの)が到来します。これは米、麦、大豆、小豆などをこねたり、油で揚げたりしたもので、祭祀用に使われていました。
その後、鎌倉時代初期に栄西禅師が大陸からお茶を持ち帰って伝え、茶の湯が流行。羊羹、煎餅、フノヤキなど和菓子が発展していきます。
一方、ポルトガル人やスペイン人により南蛮菓子が渡来し、ボーロ、カステラ、金平糖、ビスケット、パンなどが日本へ流入。これらもまた、現在でも食べられている和菓子の原型となっていきます。
(福砂屋のカステラ大好きです。)
その後、江戸時代になり平和が訪れると菓子づくりに力を注ぐことができるようにな
り、飛躍的に発展。京都と江戸が競い合うようにして、菓銘や意匠に工夫を凝らした和菓子が次々に誕生します。現在食べられている和菓子の多くは、江戸時代に誕生したものです。
徳川家康が天下泰平を為して260年間、和菓子職人さんがしのぎを削りアイディアを振り絞った結果、芸術品のように美しい和菓子が生まれたんですね〜
そして明治以降、例えばオーブンの登場により、栗饅頭やカステラ饅頭などの焼き菓子類の多くが誕生するなど、西欧の調理器具は和菓子に飛躍的な発展をもたらしました。
某猫型ロボットの大好きなどら焼きも、ホットケーキの強い影響を受けて江戸時代のものから現在の形になったそうです。
一口に和菓子といっても多種多様で、それぞれに作られ方や外来文化の入り具合が異なっていたんですね。
そしてその素晴らしさは、伝来してきた菓子を食して理解し、吸収して自分のものとした上で、単なる物まねではない、優れた日本の菓子を創造したということ!
和菓子には、日本人の創作性の結晶と言えるかもしれませんね。
和菓子の種類
和菓子は水分量によって大きく3つに分類されますが、その境目は曖昧です。
①生菓子
例)おはぎ、蒸し饅頭、水羊羹、どらやき、ぎゅうひ、あんドーナッツ
生菓子は「朝生菓子」と「上生菓子」に分けられます。
この2つはデンプンの量によって分けられ、「朝生菓子」は作ったその日に食べます。
今回伝統文化勉強会で作るのはもう一方の「上生菓子」。手技の技術を生かして、季節の風物を映しとってつくる和菓子です。
②半生菓子
例)もなか、羊羹、ぎゅうひ
③干菓子
例)ボーロ、有平糖(ありへいとう)
また、和菓子は「その季節だけに作られるもの」と「季節を表現するもの」があります。
前者は桜餅や柏餅の類、後者はきんとんや練り切りなど季節によって名前は変わるものの味は一緒のものが含まれます。
季節によって味や装いを変えて人々を楽しませてくれる和菓子は着物ととても似ていますね!
いざ、実践!!
さて和菓子についての基礎知識を学んだところで早速和菓子作りに向かいましょう!
日は変わり数日後、今回は「甘春堂 東店」様にお邪魔します!
http://www.kanshundo.co.jp/aboutus/shop/higashi/index.htm
メンバーが揃うまで時間があったので水無月をいただきました。とても美味しかったです。
この時期、特に「夏越の祓え」が行われる6月30日によく食べられるから「水無月」って名前がついたらしいんですけど、6月限定ってわけじゃないのでまだ売ってるんじゃないでしょうか。氷に見立てたお菓子なので、ぜひ皆さん水無月を食べて涼んでくださいな。とりあえず宣伝しておきます。
手を丁寧に洗い、アルコールで消毒をしたら準備完了です。この時期衛生面は特に気をつけないといけません!
1つ目は「ういろう」を作ります!
最初に作るのはこちら。本物の枇杷そっくりですね!
まあ本物の枇杷見たことほとんどないんですが。
ういろうは中国から伝わり、当初は薬として用いられていたそうです。砂糖・上用粉・餅粉などを水で混ぜ合わせ、それを蒸しあげて作った生地で餡を包んで作ります。
では早速作っていきます!
まずは、生地が手にへばりつかないように大豆で作った油をしっかりと手に広げましょう。
、、、。
カメラが持てなくなりました。
スマホも触れなくなりました。
写真が、撮れません。
ということで、「枇杷」を作る途中のお写真は残念ながらございません、、、。
作り方自体は次に紹介する「練り切り」とあんまり変わらなかったので、そちらで紹介していきます。
2つ目は「練り切り」!
次は日本人には馴染みの深い「撫子」を作ります。
ちなみに、本物の撫子はこんな感じです。綺麗ですね〜
練り切りは餡に餅粉のつなぎを入れて炊き、粘り気を出した餡を使用しています。これは上生菓子でよく用いられる、加工する餡でもあります。
先ほどの「枇杷」もそうでしたが、和菓子にはよく色のグラデーションが表現されてますよね。そういう場合は、このように二種類の生地を用意しているんです。
今回は餡が手につかないように、おしぼりで頻繁に手を拭きながら作っていきます。
手のひらの上で円形に平べったく伸ばしたら、真ん中にくぼみを開けてそこにもう一色の生地を入れ、さらに伸ばします。そうすると、真ん中の薄くなった生地の部分から追加した生地の色がうっすらと見えるようになるのです!
餡を入れて、形を整えていきます。
ちょこちょことうまいこと回していると、なんだか職人になった気分です。笑
「枇杷」の場合はここで口を綺麗に閉じたあと、少し細長くしてくぼみを指の節でつければ完成です。
できたら球形からすこーし平べったくなるように押し、周りを指で5等分になるようくぼみを入れていきます。ここがセンスの見せ所。
次に、そのくぼみを目安に線を入れていきます。(この道具の名前は見た目通りの「三角棒」なので特に覚えなくてもいいと思います。)
あとは、雌しべや雄しべに見立てた黄色い餡をのせたら完成です!
そんな感じで、まずはお持ち帰りさせていただく2品が完成しました!パシャリ📸
「枇杷」が結構シンプルな割に難しかったですね。あんまり細くしすぎると人参みたいになってしまいます。笑
最後に「きんとん」いきましょう!
次は「紫陽花」を作ります。上生菓子には欠かせないお菓子!
紫陽花は皆さんよくご存知の花ですよね。梅雨の時期に道端でよく見かけます。
きんとんの作り方はとても簡単です!
裏ごしと呼ばれる道具に、羊羹のような形をした餡を置いて、、、
どん!
どん!!
そして、そぼろ状になった餡を餡玉の周りにお箸で丁寧につけていきます。
最後に、雨粒に見立てた琥珀糖をのせたら完成です!!
いよいよ、実食!!!
お茶と一緒に優雅なおやつタイム。
黒文字は記念に持ち帰らせていただくことができました!!
お菓子を食べるためのこの「黒文字」は樹皮に芳香があり、お茶の席などで使うときは濡らしてから使うことで香りを楽しむことができます。(餡もひっつきにくくなるので一石二鳥ですね)
そんな感じで、今回は終了です。
和菓子体験会、いかがだったでしょうか。
今回感じたことは、「意外と和菓子って簡単に作れるんだな」ということ。
今まで何度か洋菓子は作ったことがありましたが、やっぱり和菓子は「とても手が込んでいて作るのが大変なもの」という印象がありました。
とは言ってもその創作性や美しさには大変驚かされましたが、実際自分で作ってみたことで仕組みなどがわかり、グッと「和菓子」が身近なものになったと思います。
着物も一緒ですよね。実際に来て、動いてみて、身近に感じてみてからわかるものがたくさんあるような気がします。
最後に、今回の伝統文化勉強会に参加してくれたメンバーで一枚。
「甘春堂 東店」様、今回は本当にありがとうございました!!
今回はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございました!
では、また次回の記事でお会いしましょうノシ
著:Usshy