「浴衣で夏祭りに行く。」それは、多くの若者がやりたいなぁと思いながらも、成し遂げることの出来ない、近いようで遠い存在なのではないでしょうか。(私見です)
こんにちは、京都着物企画です。先日、ついに待ちに待った「夏の浴衣着付け塾」を開催しました。今回は、そのイベントレポートをお届けしたいと思います!
0.「浴衣着付け塾」とは?
まず初めに、京都着物企画には、活動方針に次のようなものがあります。
「着物をはじめとする伝統文化を学び、自らの目線で若者を中心に着物を軸として伝統文化を発信する」
これを実現するため、若者に実際に浴衣を着てもらうための機会を提供し、より着物を身近に感じてもらうのが、浴衣着付け塾のねらいとなっているのです。
それで、具体的にどんなことをするかというと、
1.浴衣の着付け方を教えてもらう
2.貴船神社の「七夕笹飾りライトアップ」に行く
最高ですね。この夏の始まりに行うに相応しい、この夏を楽しむためのスターターキットですかといっても過言ではないです…
早く参加してみたくなりました。早速始めましょう!
1.浴衣の着付け方、教えます。
それでは、浴衣着付け塾のスタートです!
まず集まったのは、京大構内のとある教室。入ってみると、そこには華やかな柄の浴衣がたくさん…
この中から、自分の着てみたい浴衣を選んでいきます。
本当にたくさんの浴衣があってどれも迷います。。女性浴衣だけでなく、男性の浴衣もバリエーションがあって面白いですよ。
1.1浴衣についての基本知識を学ぼう!
浴衣の着付けを始める前に、ここで浴衣についての基本的な知識を一緒に勉強しましょう!
そもそも浴衣とは?
そもそも、浴衣とはどういうものを指すのでしょうか?夏祭りに着るというイメージが強いですけれど…
浴衣とは、和服の中でも、通常の和服とは異なり下着としての長襦袢(ながじゅばん)を着用しない、略装のことを指します。
略装であるがゆえに、浴衣で成人式や結婚式など、改まった場へ出席することはマナー違反となるのですね!
浴衣では、どんな帯を使うの?
浴衣を着るときの帯は、ほかの和服のものとどう違うのでしょうか?
女性の浴衣で使用される帯は、半幅帯(はんはばおび)という帯で、略装である浴衣に合わせた、略式の帯になっています。
略装に合わせる帯なのに、どうしてあんなにも柄の華やかな帯が多いのでしょうか。気になって調べてみたところ、民謡などの舞踊が舞台芸術と化していく流れの中で、華やかな柄が衣装としての浴衣に必要になったからなのだそう。やはり伝統文化は民衆の生活や文化に寄り添ってきたのだなあと感じます。
一方男性の浴衣に用いられる帯は角帯または兵児帯(へこおび)という帯で、角帯のほうが兵児帯よりも格式が高いものになっているんです。
1.2実際に着付けてみよう!
浴衣について学んだところで、実際に着付けていきますよ!
着物企画の着付け講師が3,4人の参加者に付いて、帯の結び方、綺麗に着付けるためのコツなどを丁寧に解説してくれます。
それにしても、
講師の皆さんは着物に関する単語をたくさん知っていますよね。知識は多いに越したことはありません。後々役に立つことがあるかも…?
というわけで、浴衣の着付けは終了です。お疲れさまでした!これでもう一人でも着付けられるようになれましたね!
さあ、ついに外に出て、貴船神社へ向かいましょ…ちょっと待って下さい。せっかく浴衣に着替えたんだし、何か特別な遊びをしたくないですか?
2.少し癖のあるかるた。
そうです!みんなで一緒にかるたをしましょう!
浴衣でかるたなんて風流でいいですねえ。でもこのかるた、普通のかるたではないんです。
そう!このかるたには、着物に関する単語の絵が描かれています。
それだけじゃなく、このかるた、正解の単語は読み上げてもらえないんです…読み札の句から、正解の単語を連想して取ってもらいます。ここで、着付けの時に知った知識が役に立つんですね!
それではかるたを始めますよ。皆さんも一緒に考えてみてください。
読み手「第一句!」
読み手「 帯の下~ 着物着付けの~ 要かな~ 」
この句が何を意味しているか分かりますか…?
正解は…
「腰紐」です。腰紐とは帯の下に仮留めとして巻く紐のことで、男性は1本、女性は3~5本使用します。
こんな調子で、割と難しい(?)かるたは続きまして。。
皆さんに楽しんでいただけたようで、とても嬉しかったです。
3.貴船へいざ行かん…!
さあいよいよ、京大を飛び出して貴船神社へと向かいます。貸し切りバスに乗り込むときは、みんな遠足気分です!
バスに揺られることおよそ50分。。
ゴトゴト….
ゴトゴト…
着いたーー!!!!
貴船神社のかの有名な参道をこの目で確かめることが出来て、非常に感慨深いです。。
しかし貴船神社とは、いったいどのような神社なのでしょうか…?せっかく来たので、少しは覚えて帰ろうと思います。
貴船神社は、神武天皇の母、玉依姫命が水神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀ったことに始まると伝わる、非常に歴史のある神社です。 昔から水を扱う商売をされている人々が多く訪れ、祈りをささげてきました。
さらに貴船神社は、我々がよく知るあの絵馬の発祥の地となっているんです。貴船神社では古くから生きた馬が献上されることがあり、その代わりに「板立馬」を奉納したことが、現在の絵馬の原型となっているそうです。
なんかこういう歴史を感じられるスポットがこんな近くにあるのだと思うと、やはり京都っていいな…となりますね(県外出身の呟き)
4.今日は七夕ですね。
そんなわけで貴船神社での散策を開始した我々ですが、本日は7月6日。七夕の前日なのです。急いで願い事を書かなくちゃ!
ところでなぜ、七夕のお祭りが貴船神社で開かれているのでしょう。それには歴史的な理由がありました。
古代中国において、七夕は洪水の害がなく、秋の豊作を祈るために川を祀った風習に由来し、雨乞いのための「水神祭」であったとも考えられています。
さらに、旧暦の7月は、雨の少ない月でした。そのため水の神様が祀られている貴船神社では、「雨乞いの社」と言われるほど、雨の恵みに感謝と祈りをささげていたのです。
歴史のある寺社に来ると自分が今まで知らなかったようなことを知れて、とても楽しい気分になります。
さて、だんだんと日も暮れてきて、ライトアップも美しくなってきました。各々、写真を撮ったり写真を撮ったり、あるいは写真を撮ったりして、黄昏時の貴船神社を楽しみました…!
5.おわりに
長々とやってまいりました、今回の浴衣着付け塾レポート。いかがだったでしょうか。
僕自身としては、自分自身もこの企画を楽しめた上に、多くの人に浴衣を着るという体験をしてもらうことが出来て、良い経験になったなあと思いました。
これを機に、より普段着物や浴衣に親しむことが増えたらいいなと願っております!🎋
そしてこの記事を読んでいるあなたも、次回の着付け塾には参加することが出来ます!
京都着物企画の公式サイトや公式Twitter、公式Instagramのチェックをお忘れなく!
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
著:Aru